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【続】まちつく グッドデザイン賞 を受賞する

真岡まちづくりプロジェクト(まちつく)が グッドデザイン賞 / GOOD DESIGN AWARD 2022 を受賞させていただいた話の続きです。予想外にたくさんの反響をいただきまして、ありがとうございます。

今回も引き続き、まちつく運営事務局の林がお伝えします。

人づくり×地域づくり×にぎわいづくり

グッドデザイン賞2022は、応募期間が4月1日から応募受付の開始、5月25日が提出期限となっていました。この段階では、まずは活動の概要や、デザインのポイントを指定の様式にまとめて提出し、一次審査に臨みます。

様式には文字数の指定もありますし、英訳する部分もありますので、ここで改めて、自分たちの活動を振り返り、応募書類に整理して落とし込んでいく必要があります。
この社会実験は、こんな狙いをもって取り組んで、そして一定の成果をあげることができた(できなかった)といった振り返りをすることで、改めて、その時点では言語化できていなかったけれど、結果的に、そういうことだったのか的な気付きもあって、よい機会になりました。
 
真岡まちづくりプロジェクト GOOD DESIGN AWARD 2022
 
私たちの活動概要と、デザインのポイントは

概要
高校生以上20人が、中心市街地の活性化を目指して、真岡市の中心市街地にある河川空間や文化財を活用する社会実験を企画、運営することで、市民によるまちづくりに取り組むものである。令和4年度は、新たに市内外の高校生、大学生41名が加わり、将来に渡って、真岡に住みたい、働きたい、子育てしたいと思えるまちの実現を図る。

デザインのポイント
1.人づくり
 まちに関心がある人が出会う場となり、まちづくりの次の担い手となる
 若者の参画と成長を促した。
2.地域づくり
 社会実験によって、まちの人と空間の可能性を明らかにしたことで、
 地域や団体の参画も促した。
3.にぎわいづくり
 文化財や河川といった低未利用の公共空間の活用によって、まちのにぎ
 わい創出を実現した。

このデザインのポイントの部分も、項目は3点までで、各50文字以内の制約がありますので、頭を捻りました。
これまで、いろいろ考えて活動してきたことを、もう一度、文字数の制限がある中で、どのように紡いでいくのがよいのか…活動をリアルタイムで見聞きしていない審査員の方々に、どうにかして読み解いていただけるには…と、パズルをしている感覚で、少しずつ字句を入れ替えながら楽しませていただきました。
 
そして、提出してから約1か月後の6月27日に、一次審査の結果通知をいただき、そこから二次審査に向けての準備に取り掛かります。8月1日までに、A1サイズのパネルの制作と納品、さらにプレゼン資料の作成です。
 
パネルは、サイズ指定こそありますが、文字や写真の大きさ、枚数についても任意でしたので、ここは少しでも審査委員の方々の目に留まるように、文字は少なめ、写真を多めに作成しました。

そして完成したA1パネルがこちらです。

5チーム9回の社会実験で、あれもこれも見ていただきたい写真はたくさんあります。その中から、厳選した10枚を選んで制作しました。
このパネルのデザインに正解はありませんが、来年の応募を考えている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
そして、参考ついでにもう1点お伝えすると、パネルは制作したものを自身で搬入または配送依頼か、データを入稿して制作依頼も可能です。

私たちの場合は、データ入稿を選びましたが、自前で制作して配送する場合は、パネルの寸法指定から納品、そして会場への配達日指定など、まさかここで手違いがあって、諦めてそこで試合終了になるのは避けなければなりませんから、手続きの安全性を優先しました。
逆に、データ入稿で、あとは全てお任せしているので、パネルの仕上がりで、画像の解像度や発色の確認ができなかったのは少々心配でした。どちらを選ぶかは事前に考えておいて、納得がいく方法を選ばれると良いと思います。また、このパネルは返却されませんので要注意です。

さて、ここまでくれば、あとはプレゼンと質疑応答です。そういえば、二次審査の手引きを見ると、プレゼンは
 ①web(オンライン)
 ②電話
 ③希望しない
の三択になっていたのですが、②は相当の話術が必要ですし、選択肢としてある以上は、③を選ばれる方もいらっしゃるのでしょうか…?

私たちはもちろん①を選び、一生懸命にお話しして、質問もいくつかいただいて、無我夢中でお答えして、あっという間に終了でした。終わってから、いただいた質問で思い出せたのは

取り組み自体は大変興味深いものの、活動はまだ2年目に入ったばかりで、今後の継続性や広がりについてどのように考えていますか?
また、2年目に大幅に高校生、大学生の参加者が増えたことについてどのように考えていますか?という、ご質問です。

その時点(8月上旬)では、2年目の活動も、まだ企画発表会を終えたばかりでしたし、まだまだ一過性ではないか、という疑念を持たれても仕方がありません。私からは、1年目の活動が地域に変化を生み出しており、会場への延べ来場者5,600人のインパクトだけでなく、まちつくへの協力の申し出や、まちつくと同じように、自分も、まちづくり社会実験を行いたい、といった相談も寄せられていることから、確実に火がくすぶり始めているのを感じている、とお答えしました。

また、1年目の高校生・大学生10名から、2年目に41名の応募を得たことについても、1年目の活動は、人目に触れやすい、まずは目立つところを狙ったことが当たって、会場を訪れ、活動を実際に見聞きしていた市内在住の高校生が一定数いたことと、さらにその活動が、同世代の高校生、大学生の発案をベースに、地域の大人たちの全力サポートを受けて、本当に実現できたことから、私にも何かできる、という、身近なものとして捉えられたからではないか、ともお答えしました。

まちつく2期生たちと、未来の扉を開けるポーズ

さらに最後に、これまで「まちつく」の活動で大事にしてきた「一人の100歩よりも、100人の一歩」も、お伝えできたのも良かったです。
こちらは「まちつく」に関わっていただいている宇都宮大学の石井大一朗准教授のお言葉で、まちづくりは、スター選手一人の力で成し遂げるのではなくて、一人でも多くの方に関わっていただいて、一人一人の一歩が、いずれ大きな活動になっていく…という、私の好きな言葉です。

プレゼン時間の制限があったぶん、質疑いただいた時間では、せっかくの機会ですから、思いの丈を精一杯お伝えさせていただきました。
ただ、手応えとしては、webでのプレゼンでしたし、ノートPCに向かって熱弁をふるっているので、それがどこまで届いているのか曖昧で、やりきったという充足感も皆無で、結果発表までの約2週間は、気が気でなりませんでした。
そのため、8月19日の13時に、PCのF5を連打して、審査講評が画面に現れたときは、もはや感動というよりも、安堵感で胸が一杯になりました。いただいた審査講評を改めて引用しますと

まちの次代を担う高校生が、公共施設を使いながら、自分たちの手で住み続けたい地域をつくる。地域と何らかの関わりを持ちたいという意識を持つ若者が増え、それが地域への愛着につながっていく。このプロジェクトは社会実験という枠を超え、すでにまちを動かすエネルギーになっているようだ。これまでに9回、5,000人もの若者たちが参加してきた実績が、そのことを物語る。アクションのフィールドとして、公共施設という場を提供できたことも注目したいポイント。さまざまな団体や施設との連携が加わるたびに、若者が活躍する機会が増えていく。人口流出を課題にしている多くの地方都市が、未来を考える際に参考にしたい取り組みではないだろうか。

こちらがお伝えしたかったことが上手くお伝えできたか、本当に不安でしたが、この審査講評を読んで、審査委員の方々が全部受け止めてくださり、評価いただけていて、本当にチャレンジしてよかったと思いました。

そして、1年目から「まちつく」を支えて、さらに数々の社会実験を実行してくれた、おとなメンバーも、この審査講評の評価によって報われると思って、本当に嬉しかったです。
この機会ですので、最後に「まちつく」のGOOD DESIGN AWARDの受賞者として、全員を紹介させていただきます。
 
ディレクター
石井 大一朗さん 宇都宮大学地域デザイン科学部 
山口 貴明さん  一般社団法人シモツケクリエイティブ 
 
デザイナー
大瀧 武志さん  大瀧建設
伊澤 学さん   大泉エンジニアリング
久保田 有紀さん WEDDING CoCo.
岡 綾さん    にのみやニッチ
鈴木 成人さん  SKB
上澤 宏行さん  鶴見建設
柴 美幸さん   STUDIO CORD
 
それぞれがどのような想いでまちつくに、そして日々の活動に取り組まれているか、これまでに投稿/掲載しています「まちつくインタビュー」のリンクを貼ってありますので、そちらもお読みいただければ幸いです。
 
そして、このグッドデザイン賞受賞のあと、
実はもう1件のGOOD NEWSが届くのですが、その件はまた次回に。

まずは、ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

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