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まちつく グッドデザイン賞を受賞する

真岡まちづくりプロジェクトが グッドデザイン賞 / GOOD DESIGN AWARD 2022 を受賞させていただきました。Instagram、Facebookには、たくさんのお祝いのお言葉もいただきまして、本当にありがとうございます。
 
このグッドデザイン賞受賞について、改めて、まちつく運営事務局の林が、受賞の経緯を振り返ってみたいと思います、少々お付き合いください。
 
真岡まちづくりプロジェクト GOOD DESIGN AWARD 2022


あのグッドデザイン賞

さて、受賞後、ほぼ全員から、不思議そうに質問されたのは
「グッドデザイン賞って、あのグッドデザイン賞ですか?どうして、まちつくが?」というクエスチョンでした。赤地に白抜きのGが格好いい、あのグッドデザイン賞は、あなたも私も知っている。
でも、あのグッドデザイン賞は、製品や建築物といったモノに対して贈られるもの…だったはずだが…と思われる方が多いようです。もちろん私も、このまちつく活動を始める前は、同じように思っていました。 

あのグッドデザイン賞

出会いはふとした瞬間
まちつくでもお世話になっている宇都宮大学石井大一朗准教授が関わっておられる、宇都宮空き家会議が、地元自治会(宇都宮市東峰西自治会)との活動で、2019年度に受賞されたことを知ったのです。

とみくら みんなのリビング GOOD DESIGN AWARD2019

こちらは、元タバコ屋・駄菓子屋をコミュニティの拠点とする取組です。
受賞カテゴリは「公共の建築・空間」となっていますが、元々がコミュニティであった場所を甦らせる、その過程も含めてコミュニティを再形成する取組である、そこから転じて、社会をより良くするための仕組みづくりもデザインとして、評価いただけるに違いないと理解しました。
 
「まちつく」の活動も、いくつかの公共空間を活用することで、真岡市のコミュニティを再構築することと、その結果として、中心市街地の活性化を図る、にぎわいの創出を目指すものでしたから、これは受賞チャンスもあるのでは、と考えたわけです。

そこで改めて、グッドデザイン賞とは…?と調べたところ

グッドデザイン賞では、かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価しています。応募されたデザインの背景・プロセス、目的と達成した成果を観察し、多角的な視点に立って審査を行います。

そして、たくさんの応募カテゴリーの中に「 コミュニティづくりの取組・活動 」部門があることを、見つけることができました。そこからは、すぐさま応募に向けての準備に取り掛かります。
4月1日から応募が開始され、5月25日までが期限、締め切りです。年に一回のチャンスで、費用(審査手数料)も必要ですから、運営事務局としては、これまで携わってくれたメンバーの活動を、審査委員の方々に、どれだけきちんとお伝えできるか、その上で客観的に優れた取組であると評価いただけるか。これまで、何度も活動を紹介するプレゼンの機会はいただくことはあっても、今回はまた違った緊張感に包まれながら、チャレンジを試みることにしました。

真岡まちづくりプロジェクト

まず、この「まちつく」について、改めてどのような活動を行ってきたのか紹介しますと、真岡市が、市民の手によるまちづくり社会実験を行おうと、2021年4月にメンバー募集を行って始まった 真岡まちづくりプロジェクト「まちをつくろう」略して「まちつく」です。

第1期メンバーは、高校生以上20名として募集しました。この時点では、真岡市のまちづくりに関心のある人々が20名も募集して集まるのか、といった心配の声もあり、大丈夫です、と大見栄をきったものの、内心は本当に応募いただけるのか、不安もありました。
実際のところ、行政が行う、なんとか市民会議といった委員を公募した場合、あまり多くの応募があるとは言えません。

ただ、今回は、会議室に座って意見を聞かれるような会議形式ではなく、実際に、自分たちの手によって、実験として形にすることを目的としたプロジェクトでしたから、定員20名の募集には、熱量ある方々の応募をいただけるのではないか…とも考えていました。

そして、市内にある4つの高等学校や、宇都宮大学にもお願いにあがり、まだフォロワーがあまりいなかったSNSでも告知したところ、最終的に39名の応募をいただくことができました。
このときの気持ちを正直に振り返ると、応募者多数に安堵するとともに、それだけ、これまでの市民会議とは違う、期待を背負っていることを感じて、とんでもないことを始めようとしているのだなと、少し怖くなってきたことを覚えています。

第1回ワークショップ「そうだ、山口さんに聞いてみよう」

そして、最終的に参加いただくことになった20名は、高校生4名、大学生6名、おとな10名。顔合わせの第1回ワークショップでは、お隣の下野市でローカルプロデューサーとして活躍されている、一般社団法人シモツケクリエイティブ山口貴明さんにお越しいただき、下野市でのこれまでの取り組みもお聞きしながら、メンバー20名たちと取り組みを進めていきます。

5チームによる社会実験

20名のメンバーには、事務局が考えておいた公共空間12箇所のフィールドワーク後に、それぞれどこで何をしたいか、また、なぜそれを必要としているのか、費用はどのくらいかかるのか、いわゆる5W1Hをアイデアシートという企画書にまとめて、その企画発表会後に、すぐに行動に移します。

未来への扉を開けるポーズ

20名が5チームに分かれて、実際に行ったのは
 
① 市役所2階の市民プラザ「青空ステーション」 利用時間拡大
② 市役所対岸の五行川河川緑地 ドッグランとマルシェの開催
③ 県文化財である岡部記念館「金鈴荘」 和文化の発表(演奏会)
④ 二宮コミュニティセンター ドッグランと青空図書館、マルシェの開催
⑤ 真岡鐵道久下田駅 ウインドウアート 

チームによっては複数回の取組を行い、延べ9回の社会実験で5,600人の方々にご利用、ご来場いただける取組になり、さらにイベントにありがちな一過性の派手な花火に終わらず、その後も継続的に、日常的にご利用いただける場所にもなっていきました。

RIVER+ピクニックマルシェ 2,400人が来場

これまで、こうした市民によるまちづくりの取り組みが行われていなかった真岡市ですが、コロナ禍でもあり、イベントが軒並み中止になっている中での、高校生や大学生も関わる取り組みとして、大きな話題性も伴って、インパクトをもって受け止められたと思っています。
 
実際に、これらの取り組みについて、栃木県教育委員会や、周辺の他市町からもお問い合わせをいただき、高校生や大学生と、地域の大人がともに活動することで、学びあえる場としての「まちつく」がプラットフォームとして機能していると、評価をいただくことになります。
このとき皆さんにお褒めいただいたのが、グッドデザイン賞応募への、後押しになったことは間違いありません。
 
それでは、このあと「まちつく」は、どのようにグッドデザイン賞に応募したのか、また、どのような評価をいただけたのか、次回に続きます。